
自分自身に万が一のことが起きた時に備え、家族や大切な人に伝えたい希望や各種情報を書き留めておくエンディングノート、みなさんは用意していますか?
書いたほうがいいことはわかるけれど、「項目が多くて面倒」「何を書けばいいのかわからない」という方もいるのではないでしょうか。
何を隠そう、私がそうでした。
しかし、2年前、医師の鎌田實先生が考えたエンディングノート制作に関わったことがきっかけで、ノートを書くことが楽しくなったのです。
今回は、その理由もまじえながら、エンディングノートの書き方についてお伝えします。
エンディングノートを書く前に
エンディングノートの役割は、自分に何かがあったとき、家族が困らないように情報を整理しておくこと。
書籍として書店に並ぶエンディングノートには、自分の人生を振り返って記録するという機能を持たせたものも多いようです。
ページを開くとさまざまな項目が目に入りますが、実際に書く前におさえておきたいことがあります。
すべて書こうとしない
エンディングノートは、家族や親類など、見た人にとって有意義な情報が書いてあれば基本的にOK。
全部の項目を埋めようとしなくて大丈夫ですし、飛ばして書いてもいいのです。
白紙のページがあっても、「今は書く必要がないページ」ととらえられたらステキだなと思います。
優先順位を決める
自分にとっての優先順位を決めると、書きやすくなります。
例えば、預貯金口座や証券など資産に関する情報、加入している保険や共済、年金、ライフラインの支払い情報、クレジットカードの契約など。
事務手続きに関わる情報をまとめておくと、家族の助けになります。
預貯金口座を整理したり、保険の内容を見直したりするきっかけになり、自分にとっても有意義です。
ゆるく向き合う
エンディングノートの記入に締め切りはありません。
1日1項目でもいいし、書く期間が空いても大丈夫。
自分にプレッシャーをかけず、ゆるく向き合っていきましょう。
自分をプロデュースする3つ視点

私がエンディングノートを書くことを楽しめるようになったのは、書きながら「自分をプロデュースする」という3つの視点を教わったからです。
1)元気に過ごせている今-夢や目標をもって生きていくために
過去を振り返ったとき、心の奥底にしまい込み、忘れていた記憶が浮き上がってくることがあります。
・行きたいと思っていたのに行けなかった場所
・やりたかったけれどあきらめたこと
・機会があれば再挑戦したいと思っていたこと
例えば、私の場合、行きたかったけれど行けていない場所のひとつに「ウユニ湖」があります。
やりたかったけれどあきらめたことは「バレエ」、機会があれば再挑戦したいのは「猫との暮らし」。
こうして眺めてみると、今の現実では難しいこともあるけれど、実現できそうなものもあります。
人生をしまうための振り返りではなく、実現可能な夢や目標につなげるための振り返りは、前向きだと思いませんか?
2)医療や介護が必要になったとき-自分らしい最期を迎える準備として
元気に過ごしていても、病気や事故で意識がなくなる可能性、認知機能が衰えて何もわからなくなる可能性は、残念ながら否定できません。
エンディングノートには、そのときの対処法、言葉を換えれば「自分の命のあり方に」に関する希望を記しておくこともできます。
実のところ、エンディングノートに法的な効力はありません。
それでも「医療者には、本人の意思を尊重しようという流れが広まっている」と鎌田先生。
「延命治療はしない」「人工呼吸器は必要ない」など、自分の意思をはっきり示しておけば、難しい決断を迫られた家族にとっても、助けになるのではないでしょうか。
3)この世を去るとき-望むかたちで送り出してもらうために
最後まで自分らしく生きるために、自分の葬儀に関する希望も書けるのは、エンディングノートならでは。
鎌田先生は、葬儀の遺影に、数年前に撮影したスキーの写真を指定しているそうです。
そういえば、私がかつてお世話になった上司も、「飾る写真を2枚、決めた。流してほしい音楽と曲順、葬儀の進行、全部パワーポイントにまとめたんだ」と聞かせてくれました。
音楽は、演奏家も指定したかったから「CDを何枚も買って聴き比べたんだよ」と。
上司はまだお元気ですが、楽しそうな笑顔が印象的でした。
みなさんは、遺影に使ってほしい写真ありますか?
どんな曲を流してほしいでしょうか?
書きたいときに書きたいことを
エンディングノートは、いざというときに家族が困らないように、書きたいときに、書きたいことを書くスタンスでOK。
自分の未来をプロデュースできれば、書くことも、生きることも、楽しくなりますよ♪
時間ができたら前向きな気持ちで、エンディングノートづくりにチャレンジしてみてくださいね。
<参考>
『鎌田式おきらくハッピーエンディングノート』(鎌田實・著/家の光協会)

