食・スイーツ

60代からの食は量より質|心がけたいのは「タンパク質」と「噛むこと」

 最近「食が細くなった」と感じることはありませんか?

年齢とともに食が細くなるのは自然なこと。

でも、食べる量が減ると、必要な栄養も不足がちになります。

だからこそ、「60代からの食は量ではなく“質”を意識しましょう」、そう語るのは、ご自身もキラビュー世代、35年以上にわたり料理研究家として活動してきた大瀬由生子先生です。 大瀬先生の体験もまじえながら、教えていただきました。

健康の維持に必要な栄養をしっかりとる

「食は、単にお腹を満たすものではなく、その人の体と人生を支える土台。私自身、年齢を重ねるほど、その思いが強くなっています」

(大瀬先生)

体は食べたものでつくられます。
だからこそ、食べる量が減ってきたら――。

「限られた食事量の中で、健康な体を維持するために必要な栄養をしっかりとることが大事なんです」

(大瀬先生)

そのために大瀬先生自身も意識しているのが、「タンパク質をとること」「よく噛むこと」の2つだそうです。

タンパク質をとるなら豆腐、納豆などのダイズ製品がオススメ

 タンパク質は、筋肉をはじめ、血液や皮膚など、体の基礎をつくる大切な栄養素。
肉や魚、卵、乳製品にも含まれますが、大瀬先生のオススメは、ダイズ製品です。

「植物性タンパク質を豊富に含むダイズ製品は、昔から日本人に親しまれてきました」

(大瀬先生)

 言われてみれば、豆腐、納豆、油揚げ、豆乳、おからなど、毎日の食卓になじみのある食品ばかり。
味噌やしょう油も大豆からできています。

大瀬先生も、豆腐と納豆は、毎日欠かさず食べているそうです。

「お値段も手ごろだし、コンビニでも買えます。納豆は発酵食品だし、いいことづくめですよ」

(大瀬先生)

しっかり噛むと栄養が体に行きわたる

 近年は、元気に過ごすためには「噛むことが重要」といわれるようになりました。
その主な理由は次の通りです。

・噛むから「おいしい」と感じ、食べることが楽しくなる
・噛むと消化酵素を含む唾液が分泌され、消化を助ける
・唾液は飲み込みもサポートして誤嚥を防ぐ
・噛むと胃腸も消化活動に向けて動き始める
・よく消化・吸収されることで、栄養が体に届きやすくなる

噛める食材「マメ類、根菜、きのこ、海藻」をプラスする

 とはいえ、ただ「よく噛みましょう」「噛む回数を増やしましょう」と言われても、なかなか難しいもの。

「いつもの料理に、マメ類、根菜、きのこ、海藻など噛み応えのある食材を足してみてください」

(大瀬先生)

これは、大瀬先生自身も実践している方法だそう。
例えば、カレー。

「ミックスビーンズやきのこを入れるだけで、噛める一品になります。しかも、味わいも増しておいしいんです」

(大瀬先生)

お味噌汁には、レンコンやゴボウなどかための根菜をプラス。

「根菜のお味噌汁に豚肉やコンニャクを入れて豚汁にすれば、噛むしタンパク質もとれるし、言うことなしの一品です」

(大瀬先生)

脂質は減らしすぎなければ大丈夫

 最近は「シニアは脂質も増やしたほうがいい」と聞きますが、その点はどうなのでしょうか。

「外食のメニューは、けっこう脂質が多いんです。ふだんの料理、マヨネーズやドレッシングなどの調味料でも脂質はとれます。極端に減らしすぎなければ、それほど神経質にならなくて大丈夫」

(大瀬先生)

なるほど納得です。
やはり重視したいのは「タンパク質」と「噛む食材」ということですね。

「納豆を海苔に巻いても、おいしい♪ ごはんなしの納豆巻きも、いけます。みなさんも、いろいろなアイデアを試してみてくださいね」

(大瀬先生)

大瀬 由生子(おおせ ゆうこ)

一般社団法人日本糀文化協会代表理事・料理研究家。

日本の発酵文化、とりわけ糀の魅力を現代の暮らしへ伝える第一人者。発酵・食育をテーマに、行政・企業・教育機関での講演、料理指導、商品開発など幅広く活動している。イタリア、フランス、台湾など国内外で発酵講座を開催し、日本の発酵文化の普及にも力を注ぐ。

「教育に発酵を!」を理念に、保育園や小学校での味噌づくりや「こども和食検定」を通じて、次世代へ和食と発酵文化をつないでいる。

著書45冊以上(海外翻訳版多数)。
水産庁水産政策審議委員(2019~2023年)を歴任。
NHK「あさイチ」、Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」などテレビ出演も多数。
食と発酵文化を通して、人と地域、未来をつなぐ活動を続けている。

まつもと のぶこ

・大学卒業後、出版社勤務を経てフリーランスのライター&編集者
・マインドフルネススペシャリストのほか、アロマ、フラワーエッセンスなどセラピー系の資格あり
・娘ひとり、バツイチのキラジェネ
・好きなこと→ピアノを弾くこと、写真を撮ること、お芝居を見ること、本を読むこと