
玄米や雑穀米、おからなど「体にいい」と聞いて試してみたけれど、独特の味や食感が苦手だったり、調理が面倒だったりして「続かなかった」ということはありませんか?
そんな方たちに「チョイ足し習慣でいきましょう!」と、料理研究家の大瀬由生子先生からのアドバイス。
「チリも積もれば山となる」ではありませんが、少量でも日々の食事に取り入れれば、少しずつ体は応えてくれるというのです。
無理なく習慣化できるチョイ足しワザを教えていただきました。
白米に「大さじ1」混ぜるだけ!味わいを変えずに栄養プラス
玄米や雑穀には、白米にはない栄養が含まれています。
「体にいい」と聞けば、気になるものです。
でも、「やっぱり白いごはんが好き」「玄米のにおいや食感が苦手」「ぼそぼそして食べにくい」という声も少なくありません。
「だったら、いつものごはんに、雑穀を大さじ1だけプラスしてみてください。このくらいの量なら、味も食感も変わりませんよ」
え、大さじ1でいいんですか?
「大切なのは、続けること。どんなに健康にいいといわれる食材でも、そのとき限りでは意味がないと思うんです」
たしかに。
味にも食感にも影響しない少量なら習慣にしやすいし、無理なく続けられます。
チョイ足しオススメ食材
・米ぬか
食物繊維約67%・ビタミンB1約65%アップ
・おからパウダー
食物繊維約4倍
水の量は変わる?
米ぬかはほぼそのままでOK、おからパウダーは気持ち多め
パウダー活用で手間なし!
ヨーグルトやスープにもひと振り
米ぬかは玄米を精米するときに出る粉で、ビタミンB1の宝庫。
マグネシウムや鉄、亜鉛などのミネラル、食物繊維も豊富です。
おからは、豆腐や豆乳を作るときに出るダイズを搾った残り。
残りとはいえ、米ぬか同様、食物繊維やタンパク質が豊富に含まれています。
「使いやすいのは、味やにおいにクセのないパウダー状のものです。難しく考えず、きな粉感覚で小さじ1〜大さじ1を試してみてください」
・ヨーグルトや牛乳に混ぜる
・パンケーキのタネや揚げ物の衣に混ぜる
・味噌汁やスープにひと振りする
・黒蜜やハチミツでのばしてパンに塗る
次々にアイデアが出てくる大瀬先生。
それは、ご自身も実践しているからですよね?
「もちろんです! 時にはレシピ作りの実験も兼ねて、楽しくチョイ足ししています」
いつものお味噌汁に1さじプラスで
コクも栄養もアップの酒粕
酒粕は日本酒を搾った残りですが、発酵由来で栄養価が高く、江戸の昔から親しまれてきました。
甘酒にして飲むのがおなじみですが、食卓ではどんなふうに使えるのでしょうか。
「お味噌汁やスープに少量を溶かすだけでコクが増します。ドレッシングやマヨネーズに混ぜてディップ風にしても、まろやかな味わいでおいしいんですよ」
小腹がすいたら小皿に盛った漬け物で「ヘルシーおやつ」

梅干し、ラッキョウ、ぬか漬け、キムチなど、漬け物は、発酵により野菜や果実のうまみを引き出した食品で、保存性にも優れています。
「日本人の暮らしの知恵が生み出した伝統食材です」
はい。
「ごはんに漬け物、それだけでいい」という人も多いのですが、どんなふうにチョイ足しできるのでしょうか。
「少量を刻んで、風味増しに使ってみてください。サラダに散らしてもいいし、炒め物の隠し味にもなります。 私は、薄くスライスした漬け物やラッキョウを小皿に盛り、仕事机の横に置いています。おやつとしてつまんだりも」
なるほど、漬け物の栄養をおやつでチョイ足しというのは、ステキなアイデアです。
カロリーも低いし、歯ごたえもある――
よく噛むと満腹感も得られますよね。
「梅干しなら、カリカリしたかたい小梅がオススメです」
味や食感が変わらないくらいの「チョイ足し」。
無理をして頑張るのではなく、「長い目で、いつまでも元気に動ける自分の体を作りましょうよ」という大瀬先生のアドバイスには、同世代ならではのエールの気持ちが込められていました。
大瀬先生の著書『食べる米ぬか健康法』(辰巳出版)や『手軽な漬け物 定番の漬け物』(秀和システム)には、日常に楽しく取り入れられるアイデアやレシピが満載です。
「チョイ足し習慣のヒントがたくさん詰まっています。ぜひ活用していただけたら嬉しいです」
毎日の食卓に、まずは「大さじ1」のチョイ足しから始めてみませんか?

大瀬 由生子(おおせ ゆうこ)
一般社団法人日本糀文化協会代表理事・料理研究家。
日本の発酵文化、とりわけ糀の魅力を現代の暮らしへ伝える第一人者。発酵・食育をテーマに、行政・企業・教育機関での講演、料理指導、商品開発など幅広く活動している。イタリア、フランス、台湾など国内外で発酵講座を開催し、日本の発酵文化の普及にも力を注ぐ。
「教育に発酵を!」を理念に、保育園や小学校での味噌づくりや「こども和食検定」を通じて、次世代へ和食と発酵文化をつないでいる。
著書45冊以上(海外翻訳版多数)。
水産庁水産政策審議委員(2019~2023年)を歴任。
NHK「あさイチ」、Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」などテレビ出演も多数。
食と発酵文化を通して、人と地域、未来をつなぐ活動を続けている。




