
日々の食事のしたく。
「体のために食べなくちゃ」と思っても、献立を考えるのがおっくうだったり、作ることが面倒だったりということ、ありますよね。
そんな悩みに「料理は頑張るものではなく、自分をととのえるもの。
作りたくないときは、ごはんと味噌汁で十分ですよ」と、自身もキラビュー世代の料理研究家・大瀬由生子先生が答えてくれました。
おいしく栄養のある食事を、楽しくラクに用意する――。大瀬先生流のアイデアやコツをご紹介します。
毎日これだけでも大丈夫!
「ごはん+味噌汁」の最強シンプル献立
「ごはん+味噌汁」は、日本の食生活を支えてきた基本の組み合わせです。
「量が食べられなくなったのに、あれこれ用意するのは大変ですよね。でも、この2品を揃えれば、体に不可欠な栄養は十分とれるんです」
ごはんは「炊き立てを即・冷凍」でいつでもおいしく
毎食ごはんを炊くのは手間がかかりますが、まとめて炊いて1食分ずつ冷凍しておけば、食べたいときにすぐ食卓へ出せます。
「ごはんは冷めるとおいしさが半減してしまいます。ラップに包むときは、炊き立てのアツアツごはんを湯気ごとふんわり包むのがコツ。粗熱がとれてから冷凍庫に入れましょう」
電子レンジで数分温めれば、閉じ込めた湯気のおかげで、炊き立てのようなホカホカごはんがよみがえります。
具だくさん味噌汁でおいしさも栄養も一気にアップ!
定番の具材はもちろん、何を組み合わせてもおいしく仕上がるのが味噌汁の素晴らしいところ。
「味噌は日本の伝統食であり、すぐれた発酵食品。さらに貴重なタンパク源にもなります。この力を借りない手はありません」
【味噌汁作りのラク&栄養アップのヒント】
・冷蔵庫に残っている野菜を何でも入れて具だくさんに
・きのこ類を加えて「うま味」をプラス
・市販の「冷凍野菜」を活用して手間を省く
・豆腐、油揚げ、豚肉、鶏肉、卵などのタンパク源を入れて、おかずとしての一品に
「ワカメなどの海藻類を入れるのもおすすめですし、ごはんに納豆や漬物を添えるだけでも栄養価は高まりますよ」
だしは「とる食材」から「食べる食材」へと発想転換
味噌汁作りでちょっと手間だなと感じるのが、だしをとること。そんな悩みを大瀬先生にぶつけてみたところ――。
「だしをとるのではなく、味噌汁に入れて食べちゃいましょう」
えっ、だしを食べる???
だしってとるものでは……?
「かつお節や昆布をそのまま入れて、素材のうま味と栄養をまるごといただくという発想です。食べやすくする工夫もできますし、便利な市販品を活用するのもおすすめですよ」
◆ かつお節
市販の小分けパックをそのまま投入。
細かくしたい場合は、小袋の上から手でもめばOK。
味噌をといた後に入れると風味が増します。
◆ 昆布
だし昆布を食べやすい大きさにハサミでカットして、そのまま鍋へ。
噛みごたえのある食材としても利用できます。
◆ 煮干し
そのまま入れて具として食べれば、カルシウムやタンパク質を余すことなく摂取できます。
雑味が気になる場合は、頭とワタを取り除いてから使ってください。
◆ トマト
じつは昆布と同じうま味成分「グルタミン酸」が豊富で、だしとしても使えるのです。味噌との相性も抜群。
「余計なものを加えず、かつお節や昆布などの素材だけを粉末にした市販のだし粉も便利です。ミルサーがあれば手作りもできますよ」
もう一品は「蒸し野菜」や「盛るだけ食材」で

家族のために、もう一品を添えたい……というときのオススメも教えていただきました。
電子レンジやセイロで作る「簡単・蒸し野菜」
「旬の野菜は、蒸すだけでおいしいんです。肉や魚をあわせてもいいし、生卵を殻ごと入れて蒸せば、ゆで卵も同時にできるんですよ」
・家にあるもの、食べたいものを組み合わせる
・味噌汁と同じ具材でもOK
と、ハードルを高くしすぎないことがコツだそうです。
冷蔵庫の「盛るだけ食材」をフル活用
納豆、キムチ、漬け物、豆腐など、小皿に盛るだけで食べられる食品を冷蔵庫に常備しておき、その日の気分で食卓に。
「私のイチオシは“ラッキョウ”です。細かく刻んで納豆や豆腐にトッピングすると、さわやかな風味に。腸活にもオススメです」
「買ってくる」「食べに行く」という選択肢もあり
なぜだか無性に食べたくなることのあるコロッケやトンカツ、天ぷらなどのお惣菜。
「揚げ物が食べたくなったら買ってくればいいし、カツ丼が食べたくなったら外食したっていいんです。大切なのは“作ること”にとらわれず、食べたいものをおいしく笑顔で食べることではないでしょうか」
先生の言葉に、なんだかとっても肩の荷が軽くなった気分です。
毎日の食事作り、がんばらなくてもいいのですね。
「ごはん+味噌汁」を基本に、おいしく・楽しく自分の心と体をととのえていきましょう。

大瀬 由生子(おおせ ゆうこ)
一般社団法人日本糀文化協会代表理事・料理研究家。
日本の発酵文化、とりわけ糀の魅力を現代の暮らしへ伝える第一人者。発酵・食育をテーマに、行政・企業・教育機関での講演、料理指導、商品開発など幅広く活動している。イタリア、フランス、台湾など国内外で発酵講座を開催し、日本の発酵文化の普及にも力を注ぐ。
「教育に発酵を!」を理念に、保育園や小学校での味噌づくりや「こども和食検定」を通じて、次世代へ和食と発酵文化をつないでいる。
著書45冊以上(海外翻訳版多数)。
水産庁水産政策審議委員(2019~2023年)を歴任。
NHK「あさイチ」、Eテレ「小雪と発酵おばあちゃん」などテレビ出演も多数。
食と発酵文化を通して、人と地域、未来をつなぐ活動を続けている。




