
夏になると、頭皮がべたつく、汗のにおいが気になる、髪がぺたんとしてボリュームが出ない、抜け毛が増えた気がする——
暑い季節は、髪だけでなく頭皮が悲鳴を上げやすい時期です。
汗と皮脂で蒸れやすく、強い紫外線も降りそそぐ……
加齢で頭皮環境が揺らぎやすくなっている大人世代にとって、夏の頭皮ケアは、健やかな髪とにおい対策のために欠かせません
この記事では、汗・皮脂・べたつき・におい・紫外線という夏ならではの悩みに向き合い、頭皮からすっきり整える髪ケアの基本を、洗い方・乾かし方・紫外線対策・白髪や抜け毛との関係・食事まで、網羅的にお伝えします。
夏の頭皮に起きていること
夏、頭皮は次のような負担を受けています。
| 要因 | 頭皮への影響 |
| 汗と皮脂の増加 | 蒸れてべたつき、毛穴がつまりやすい |
| 雑菌の繁殖 | 汗・皮脂が分解され、においが発生 |
| 強い紫外線 | 頭頂部の頭皮・髪がダメージを受ける |
| 冷房による乾燥 | 屋外の蒸れと室内の乾燥の落差が負担に |
頭皮は、髪を育てる「土壌」です。
ここが不健康だと、髪もやせ、におい・かゆみ・べたつき・抜け毛のもとになります。
だからこそ、夏は頭皮を第一に考えたいのです。
とくに頭のてっぺんは、体のなかでもっとも紫外線を浴びる場所。
顔や腕はケアしても、頭皮は無防備になりがちです。
なぜ頭皮のにおいが気になるのか
頭皮のにおいは、汗そのものより、汗や皮脂が雑菌によって分解されることで強くなります。
夏は汗・皮脂が増え、蒸れて雑菌が繁殖しやすいため、においが出やすくなるのです。
さらに、加齢に伴って皮脂の質が変化し、独特のにおいが出やすくなることも知られています。
つまり、においを防ぐカギは、「汚れをためこまない」「蒸れさせない」「洗いすぎない」の3つ。
ゴシゴシ洗ってにおいを消そうとすると、皮脂を落としすぎて頭皮が乾燥し、かえって皮脂が過剰に出る悪循環になることもあります。
やさしく、けれど清潔に——このバランスが大切です。
においとべたつきを防ぐ洗い方
夏の頭皮ケアの中心は、「ためこまず、やさしく洗う」こと。
- 予洗いをていねいに:シャンプー前に、38度前後のお湯で頭皮と髪を1〜2分しっかりすすぐ。
これだけで汚れの多くが落ち、シャンプーの泡立ちもよくなります - 指の腹でやさしく:爪を立てず、指の腹で頭皮を動かすように洗う。
ごしごしこすると頭皮を傷めます - すすぎ残しをなくす:洗浄成分やすすぎ残しは、においやかゆみのもと。
生え際・襟足までていねいに流します - 洗いすぎない:皮脂を落としすぎると、頭皮は逆に皮脂を過剰に出そうとします。
1日1回を目安に - しっかり乾かす:ぬれたまま放置すると雑菌が増え、においの原因に。
まず地肌から乾かします。自然乾燥は避けましょう
紫外線から頭を守る
顔や腕には日焼け止めを塗っても、頭のてっぺんと分け目は無防備になりがちです。
夏の外出では、頭皮も守りましょう。
- 帽子や日傘を使う:いちばん手軽で効果的。
通気性のよい素材の帽子を選ぶと、蒸れも防げます - 髪・頭皮用の日焼け止めを:スプレータイプなら、分け目や頭頂部にも使いやすく便利です
- 分け目を時々変える:同じ分け目だと、そこばかり紫外線を浴びます。
変えることで負担を分散でき、地肌も目立ちにくくなります - 汗をかいたらこまめにふく:汗を放置すると蒸れとにおいのもと。
清潔なタオルやシートでやさしく
白髪・抜け毛と頭皮の関係
「夏に白髪や抜け毛が増えた気がする」と感じる方もいます。
白髪は、髪の色をつくる細胞(メラノサイト)の働きが弱まって起こります。
その働きには、頭皮の血のめぐりや健やかさも関わっています。
頭皮が汗・皮脂・紫外線で疲れていると、髪全体の元気にも影響します。
抜け毛も、夏から秋にかけて一時的に増えやすいもの。
夏の紫外線ダメージや皮脂づまり、季節の変わり目の体調の揺らぎが重なるためと考えられています。
多くは自然な範囲ですが、頭皮を清潔に保ち、やさしくマッサージして血のめぐりを助けることは、白髪・抜け毛の予防という面でも意味があります。
特効薬ではありませんが、健やかな頭皮が、健やかな髪を育てるという基本は変わりません。
地肌が目立つほど抜け毛が続くときは、皮膚科などに相談を。
サロンの頭皮ケア(ヘッドスパ)という選択肢
自宅のケアに加えて、ときには美容室のヘッドスパを取り入れるのもおすすめです。
プロの手で、毛穴の汚れをすっきり落とし、頭皮のこりをほぐし、血行を促してもらえます。
夏の疲れた頭皮のリセットにぴったりです。
- 毛穴クレンジング:自宅では落としきれない皮脂づまりを、専用の施術ですっきり
- マッサージで血行促進:頭皮のこりをほぐし、めぐりを整えます。
心地よくリラックスできるのも魅力 - プロの診断:自分では見えない頭皮の状態を見てもらい、合ったケアのアドバイスがもらえます
毎月でなくても、季節の変わり目に一度、といったペースでも十分。
「自宅ケア+ときどきプロの手」の組み合わせが、頭皮を健やかに保つ近道です。
頭皮を整える食べ物・飲み物
頭皮環境は、体の中からも支えられます。
夏に意識したい食べ物・飲み物を挙げておきます。
- たんぱく質(肉・魚・卵・大豆):髪と頭皮の材料。夏バテで食が細っても、切らさないように
- ビタミンB群(豚肉・レバー・納豆):皮脂の調子を整える働きが期待できます
- ビタミンC・E(緑黄色野菜・果物・ナッツ):紫外線で疲れた頭皮を守ります
- 鉄・亜鉛(赤身肉・貝類・海藻):髪づくりを助けます
- 水分:夏は脱水になりやすく、頭皮の乾燥にもつながります。こまめな水分補給を
冷たいものばかりで胃腸が弱ると、栄養の吸収も落ちます。
冷やしすぎず、バランスよく食べることが、頭皮にも髪にも効いてきます。
内側から頭皮を整える
頭皮環境は、食事や生活習慣にも支えられています。
- たんぱく質・鉄・亜鉛をとる:髪と頭皮の材料。肉・魚・卵・大豆、赤身肉やレバー、海藻などを
- ビタミンで頭皮を守る:緑黄色野菜や果物のビタミンが、夏の紫外線で疲れた頭皮を支えます
- 水分をこまめに:夏は脱水になりやすく、頭皮の乾燥にもつながります
- 睡眠をしっかり:頭皮も髪も、眠っている間に回復します
- 冷房で冷やしすぎない:血行が滞ると頭皮に栄養が届きにくくなります。温度差に注意を
「頭皮エイジング」という考え方
近年注目されているのが、頭皮の老化(頭皮エイジング)という考え方です。
頭皮は、顔の皮膚と一枚でつながっています。
頭皮がたるむと、その下にある顔の皮膚も引っぱられ、額のしわ、目元のたるみ、ほうれい線などにつながると言われています。つまり、頭皮ケアは髪のためだけでなく、顔の若々しさにも関わっているのです。
夏は、紫外線・汗・皮脂で頭皮が疲れ、たるみやすい時期。
だからこそ、頭皮をいたわることが大切です。
- 頭皮マッサージで血行とハリを保つ:シャンプー時やお風呂上がりに、指の腹で頭皮を「動かす」ように、やさしくマッサージ。前頭部から頭頂部へ、side から上へと引き上げるように
- こり固めない:パソコンやスマホで頭皮や首肩がこると、血のめぐりが滞ります。適度に体を動かし、湯船で温まる習慣を
- 紫外線から守る:頭皮の日焼けは、たるみやダメージのもと。帽子・日傘・髪用日焼け止めで守ります
夏に増える頭皮トラブルと対処
夏は、蒸れや汗で、頭皮のトラブルが起きやすくなります。
代表的なものを知っておきましょう。
- あせも・湿疹:汗をかいたまま放置すると、頭皮にあせもや湿疹が出ることがあります。
汗はこまめにふき、清潔と乾燥を保つことが予防になります - かゆみ・フケ:皮脂が増えて雑菌が繁殖したり、逆に洗いすぎで乾燥したりすると、かゆみやフケが出ます。
やさしく洗い、しっかりすすいで乾かすのが基本です - べたつき・におい:皮脂と汗のためこみが原因。ためこまない洗い方を
- 日焼けによるヒリつき:頭皮が日焼けすると、ヒリヒリしたり皮がむけたりすることも。紫外線対策を
赤み・強いかゆみ・フケが続く場合は、脂漏性皮膚炎などの可能性もあるため、自己流で対処せず皮膚科に相談を。
一日の頭皮ケアルーティン
夏の頭皮ケアも、一日の流れに組み込むと続きます。
- 朝:出かける前に、帽子や髪用日焼け止めで紫外線対策。分け目は時々変える
- 日中:汗をかいたら清潔なタオルやシートでやさしくふく。蒸れたら帽子を脱いで頭皮を乾かす
- 入浴時:予洗いをていねいに、指の腹でやさしく洗い、しっかりすすぐ
- 入浴後:地肌からしっかり乾かす。自然乾燥は避ける。必要なら頭皮用ローションで保湿
- 就寝前:エアコンで冷やしすぎず、質のよい睡眠を
夏のシャンプー選びと洗い方の総点検

夏の頭皮ケアの成否は、シャンプー選びと洗い方で大きく変わります。
この機会に、総点検してみましょう。
シャンプー選びのポイント
- 皮脂が多くベタつきやすい方:さっぱり洗い上げるタイプが向きますが、洗浄力が強すぎると乾燥を招くので、様子を見ながら
- 乾燥・かゆみが気になる方:アミノ酸系などのマイルドな洗浄成分で、うるおいを保ちつつ洗えるものを
- においが気になる方:頭皮のにおいをケアする成分の入ったものも選択肢に。ただし、洗い方の見直しが先決です
- かゆみ・フケがある方:症状が続くなら、市販のケア用シャンプーを試しつつ、改善しなければ皮膚科へ
正しい洗い方の総点検
- ブラッシングで髪のもつれと表面の汚れを取る
- 38度前後のお湯で、1〜2分しっかり予洗い
- シャンプーを手で泡立ててから、指の腹で頭皮を洗う
- 生え際・襟足まで、すすぎ残しなくしっかり流す
- タオルでやさしく水気をとり、地肌から乾かす
「なんとなく洗う」から「頭皮を意識して洗う」へ。
それだけで、夏のべたつき・におい・かゆみは、ぐっと軽くなります。
白髪・薄毛が気になり始めたら
夏の頭皮ケアをきっかけに、白髪や薄毛が気になり始める方もいます。
あわてず、まずは頭皮環境を整えることから始めましょう。
- 白髪:頭皮を清潔に保ち、血のめぐりを助けるマッサージを。
染めるか、グレーヘアとして生かすかは、自分の心地よさで選べます - 薄毛・抜け毛:夏から秋は抜け毛が増えやすい時期。
多くは自然な範囲ですが、地肌が目立つほど進む、頭皮に赤みやかゆみがある場合は、皮膚科や専門機関に相談を。
頭皮ケア、バランスのよい食事、睡眠が土台になります - 早めの対策を:気になり始めたときが、対策のタイミング。
頭皮環境を整える習慣は、白髪・薄毛の予防という面でも意味があります
特効薬に頼るより、健やかな頭皮を保つ日々の習慣が、髪の未来を支えます。
よくある質問(Q&A)
Q. 夏は毎日シャンプーしても大丈夫?
A. 汗や皮脂が多い夏は、1日1回のシャンプーで問題ありません。
ただし、洗浄力の強すぎるもので何度も洗うと乾燥を招くので、やさしい洗浄力のもので1回を目安に。
Q. 頭皮のにおいが取れません。
A. 予洗い・やさしい洗浄・しっかりすすぎ・しっかり乾かす、の基本を見直しましょう。
それでも強いにおいやかゆみ、フケが続く場合は、頭皮の炎症などが隠れていることもあるので皮膚科に相談を。
Q. ドライシャンプーは使ってもいい?
A. 外出先や汗をかいたときの応急ケアとしては便利です。
ただし通常のシャンプーの代わりにはならないので、帰宅後は湯シャンや通常のシャンプーで汚れを落としましょう。
Q. 帽子をかぶると蒸れて逆効果では?
A. 通気性のよい帽子を選び、汗をかいたら脱いで頭皮を乾かす、こまめに汗をふくなどの工夫をすれば、紫外線対策のメリットのほうが大きくなります。
夏は「頭皮ファースト」で
夏の髪の悩みは、その多くが頭皮の蒸れと紫外線から来ています。
だから、夏こそ頭皮を主役に。
ためこまずやさしく洗い、しっかり乾かし、帽子や日傘・髪用日焼け止めで紫外線から守る。
そして、食事と睡眠で内側からも頭皮を支える。
汗ばむ季節を、べたつきやにおいを気にせず、さっぱりと過ごす。
頭皮を整えることが、髪を守り、白髪・抜け毛の予防にもつながり、印象を明るくするいちばんの近道です。
今年の夏は、頭皮からのケアを意識してみてください。
<参照>
環境省「熱中症予防情報サイト」(夏の暑さ・汗と体調管理)
https://www.wbgt.env.go.jp/
大正健康ナビ(大正製薬)「髪の老化を防ぐ生活術/白髪」(頭皮ケア・白髪のメカニズム)
https://www.taisho-kenko.com/column/45/
環境省「紫外線環境保健マニュアル」(紫外線対策・頭皮や肌への影響)
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen.html




