60代になってくると考えたいのが、どこに住まいを構えて暮らしていくか。これまでの生活スタイルや趣向にあわせて、都会に住むのか、田舎に住むのか、郊外に住むのかで悩んでいる人も多いはずです。そこで、今回はアンケートで得られたそれぞれの住みたい理由を踏まえて、メリットとデメリット、住む上でのチェックポイントを整理してみました。
*本記事は、2025年6月に実施した「60〜70代の生き方(ライフスタイル)に対する意識調査」43名(男女)へのアンケートをもとに構成しています。
都会派?田舎派?それとも郊外派? アンケートの結果は…
キラビュー編集部では、「将来まで暮らしたい生活環境」についてのアンケートで、都会派・郊外派・田舎派の3つのうちから選んでもらったところ、次のような結果になりました。
Q.将来まで暮らしたい住環境はどれですか?

60代以上に人気があったのは「都会」でした。富山市が「コンパクトシティ」の政策を取り、行政・商業・医療機関をぎゅっと集約した街づくりをしたことで高齢者が住みやすくなった例もあるように、クルマがなくてもサービスが受けられるのはありがたいところです。一方で、田舎ののんびりとした自然環境を好む人、都会と田舎の良さをあわせもった郊外もそれぞれ住みたいという人があり、分散した結果となりました。
都会に住むメリットとデメリットおよびチェックポイントは?
アンケートで都会に住みたいと考えた人の理由について聞いたところ、代表的な次のような結果が見られました。
<都会派の理由>
・大きな病院が近くにある(わかぽん、61歳女性、東京都)
・車を手放したいので(じゅんこ、66歳女性、京都府)
・美術鑑賞、お食事、スポーツ、交流とアクティブにいきたいから(K.U、61歳女性、大阪府)
・子ども達が都内に居住しているため(八五郎、65歳男性、東京都)
・虫が嫌い(鶴里 輝男、66歳男性、大阪府)
・田舎にいると考えが古くなる。新しい知識が入って来なくなる(じゅん、66歳男性、東京都)
都会派の理由をもとに、メリットとデメリットは次のようなことが考えられます。
都会に住むメリット
・医療機関や介護サービスが充実している
・娯楽や教養を楽しむ機会に恵まれる
・交通インフラが整備されている(車がなくても出かけられる)
・コミュニティが多く新しい人間関係がつくりやすい
・新しい考え方を取り入れやすい都会に住むデメリット
・光化学スモッグ、騒音などの問題がある
・住居、食費などの生活コストが高い
・人間関係が希薄な場合に孤立しやすい
・介護サービスが高額で利用者が多い
メリットとデメリットを踏まえて都会に住み続けるためのチェックポイントを整理しました。ぜひ参考にしてみてください。
都会に住み続けるためのチェックポイント
- 老後まで都会で生活していけるだけのお金があるか
- 介護状態になったときの住まいやサービスを確保できるか
- 家族や友人などの頼れる人がいるか
郊外に住むメリットとデメリットおよびチェックポイントは?
アンケートで郊外に住みたいと考えた人の理由について聞いたところ、代表的な次のような結果が見られました。
<郊外派の理由>
・都会と田舎の両方が味わえる(えみやん、65歳女性、大阪府)
・ゴルフ場の近くに住み続けたい(トニー、61歳男性、神奈川県)
・住環境は、今が最高です(桃子、69歳女性、千葉県)
・それは新鮮かつ安全な食材を調達するため、野菜等可能な物は自己栽培することです(トニー、65歳男性、東京都)
・田舎派だったが体力の衰え等現実的な課題から(松、66歳男性、東京都)
郊外派の理由をもとに、メリットとデメリットは次のようなことが考えられます。
郊外に住むメリット
・ほどよい利便性がある
・都会よりは生活コストがおさえられる
・スポーツをする環境や自然環境に恵まれた場所にアクセスしやすい
・住みやすさを感じる人が多い郊外に住むデメリット
・結局、車がないと便利ではない
・商業地がロードサイドにあり、利便性が都会にくらべて劣る
・住宅街は特殊詐欺や凶悪犯罪に巻き込まれやすい
・一戸建ては防犯対策が手薄になりやすい
・スポーツを一緒にやる相手が意外といない
メリットとデメリットを踏まえて郊外の住宅街に住み続けるためのチェックポイントを整理しました。ぜひ参考にしてみてください。
郊外に住み続けるためのチェックポイント
- 車が利用できなくなったときはどうするか
- 住宅街ならではの防犯対策ができているか
- 娯楽をともにできる仲間はいるか
- 都会ほどは利便性が低いため、医療や買い物の方法を確認する
田舎に住むメリットとデメリットおよびチェックポイントは?
アンケートで田舎に住みたいと考えた人の理由について聞いたところ、代表的な次のような結果が見られました。
<田舎派の理由>
・人混みは苦手(はなまる、61歳女性、福島県)
・安心安全な食生活が出来るから(T.M、65歳女性、山口県)
・土いじりが好きなので家庭菜園がしたい(ぴのこ、68歳女性、千葉県)
・自然な環境が癒されるから(ぜん、60歳男性、熊本県)
・いつでもサーフィンが出来る環境にいたいから(surfbum、63歳男性、千葉県)
・仕事柄、都会での仕事が多いので、生活はまったりと暮らしたいです(M.F、66歳男性、東京都)
田舎に住むメリット
・自然環境が豊かな場所に住める
・家庭菜園など農業
・海・山の趣味がかなう
・生活コストが安い
・のんびり生活できる
・地域のつながりが濃い
・介護サービスの費用が抑えられアットホーム田舎に住むデメリット
・車がないと交通の便が悪い
・医療サービスや介護サービスまで遠く、不十分な可能性
・虫や害獣の問題がある
・移住した場合によそ者扱いされる
・娯楽や最先端の情報が限られる
・コミュニティが少ない
メリットとデメリットを踏まえて田舎に住み続けるためのチェックポイントを整理しました。ぜひ参考にしてみてください。
田舎に住み続けるためのチェックポイント
- 車が利用できなくなったときにどうするか
- 頼れるコミュニティがあるか
- アクティブに活動できる情報源や拠点はあるか
60代以降は自分の住みたい場所を選びたいもの。今回は自分の住みたい環境にはどんなメリットとデメリットがあり、なにをチェックしなければならないかを整理しました。ぜひ、理想の生き方を見つけて、好きな場所でキラキラと生きていきましょう!
岡本のぞみ
食やワイン、美容、旅の分野を中心に執筆。女性の視点を活かして、キラキラと輝くヒントを文章で届けている。ワインエキスパートを取得し、40代からレストランのソムリエとしても勤務。前向きな挑戦を続けている。

