
ひとりの時間を、いちばん好きな時間に
窓の外が少しずつ明るくなっていく朝、誰にも急かされずコーヒーを淹れる。
テレビを消して、好きな音楽をひとつ流す。
そんな何気ないひとりの時間に、ふと「これはこれで悪くないな」と感じたことはありませんか。
一方で、静けさが長く続くと、心のどこかがしんとしてくることもあります。
同じ「ひとり」でも、豊かに感じられる日と、少し心細くなる日がある。
その違いはどこから生まれるのでしょう。
今日はその境目に、そっと目を向けてみたいと思います。
「ひとり」と「孤立」は別のもの
まず切り分けておきたいのが、自分で選んだひとりの時間と、望まないのにつながりが細くなってしまう状態は、まるで違うということです。
前者は自分を取り戻すための豊かな余白であり、後者は少しずつ誰かとの糸をつなぎ直したい状態です。
この二つを一緒くたにしてしまうと、せっかく心地よいはずのひとり時間まで、なんだか寂しいものに思えてきてしまう。
だからこそ、「今の自分はどちらだろう」と静かに問いかけてみることが、最初の一歩になります。
つながりは心と体の栄養になる
人とのゆるやかなつながりは、思っている以上に私たちの健康を支えています。
健康長寿ネットが紹介する研究では、社会的なつながりが希薄な人は、そうでない人と比べて要介護になるリスクが約1.66倍という結果が示されています。
数字にすると、日々のちょっとした会話がいかに大切かが見えてきます。
内閣府の調査に目を向けると、同居していない家族や友人と直接会って話すことが「全くない」という人は9.3%。
裏を返せば、多くの人は何らかの形で誰かと言葉を交わしています。
ひとりの時間を大切にしながらも、細い糸を一本だけ残しておく。
その一本が、心をふっと軽くしてくれます。
好きなことに静かに夢中になる

ひとり時間がいちばん輝くのは、何かに没頭している瞬間かもしれません。
手を動かし、昨日できなかったことが少しできるようになる。
その小さな喜びの前では、寂しさはいつのまにか遠くへ行っています。
「自分の『好き』を大切にすると、毎日が少しずつ輝いて見える」(Reiさん・62歳女性・東京都)。
この言葉のように、好きの輪郭をはっきりさせることが、ひとりの時間を豊かに染めていくのだと思います。
編集部おすすめ・ひとりを豊かにする三つの習慣
1. 朝の15分を自分だけの時間に
起き抜けの15分、スマホを置いて好きな飲みものを一杯。
誰のためでもない時間から一日を始めると、心に小さな余白が生まれます。
2. 週に1回は、5分でも声を交わす
家族でも、近所の顔なじみでも、電話一本でも構いません。
週1回・5分の会話を「予定」として決めておくと、糸が細くなりすぎるのを防げます。
3. 「ひとり◯◯リスト」を3つ書く
ひとりで行きたいカフェ、ひとりで観たい映画、ひとりで歩きたい道。
楽しみを3つ書き出しておくと、ひとりの時間が「待ち遠しいもの」に変わります。
ひとりの時間は自分への贈りもの
ひとりでいることは、寂しさとイコールではありません。
自分の「好き」に耳をすませ、細いつながりを一本だけ大切に残しておく。
それだけで、ひとりの時間は静かに豊かさを増していきます。
今日の午後、少しだけ自分のために時間を使ってみませんか。
<参照>
内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」
https://www.cao.go.jp/kodoku_koritsu/torikumi/zenkokuchousa.html
健康長寿ネット「人との交流と健康長寿との関連」(公益財団法人 長寿科学振興財団)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai/hitotonokoryu-kenkochoju.html




