
スキンケアの話をするとき、意外と抜け落ちるのが「見る」という工程です。
保湿はする。日焼け止めも塗る。
でも、自分の肌をじっくり眺める時間は、ほとんどありません。
年齢とともに、シミもほくろも増えていくもの。
その大半は心配のいらないものですが、ごくまれに、医療の出番であるサインが混ざっていることがあります。
大切なのは、こわがることではなく、見分ける目安を持っておくこと。
今日は、そのものさしをお渡しします。
ものさしは「ABCDE」の5つ
皮膚のできものを見分けるとき、世界的に使われている目安がABCDEルールです。
- A(Asymmetry/左右非対称):半分に折ったとき、形が重ならない
- B(Border/境界):ふちがギザギザ、にじんでいる
- C(Color/色):黒・茶・赤などが混ざり、色ムラがある
- D(Diameter/大きさ):直径が6mmを超えている
- E(Evolution/変化):数か月で大きさ・色・形が変わってきた
この5つのうち、1つでも当てはまれば、皮膚科の受診を。
「いくつも揃わないと大丈夫」ではありません。
とくにE(変化)は、それ単独でも受診の理由になります。
日本人は「手のひら・足の裏・爪」も見る
もうひとつ、覚えておきたい特徴があります。
日本人に見られる悪性のできものは、足の裏、手のひら、爪の下といった、末端に出るタイプが比較的多いとされています。
つまり、顔や腕だけ見ていては足りないということ。
足の裏は、自分ではいちばん見えない場所です。
お風呂上がりに、片足ずつ椅子にのせて、足の裏を鏡に映す。
爪に黒い筋が出ていないかも、あわせて見ておきましょう。
月に1度のお風呂上がり3分チェック

習慣にするには、時間と場所を決めるのがいちばんです。
毎月1日、お風呂上がりの3分間。明るい洗面所で、上から下へ順番に見ていきます。
- 顔・首・耳のうしろ
- 胸・お腹・背中(背中は手鏡か、家族に見てもらう)
- 腕・手のひら・指のあいだ
- 脚・足の裏・足の指のあいだ・爪
そして、気になるものがあったら、スマホで写真を撮り、日付をつけて保存。
ものさしを当てるより、3か月前の写真と見比べるほうが、変化はずっと正確にわかります。
迷ったら写真を持って皮膚科へ
「こんなことで行っていいのかしら」と、多くの方がためらいます。
でも、皮膚科医にとっては、ごく日常の相談です。
受診するときは、撮りためた写真を持っていく。
「ここが、半年前と比べてこう変わりました」と伝えられれば、診断の助けになります。
ダーモスコピーという拡大鏡で見れば、その場で見当がつくことも少なくありません。
「自分を健康に幸せにできるのは自分だけ、と思って暮らしを整えている」
というお声がありました。
自分の肌を月に一度きちんと見る。
それも、立派な「整える」です。
見ておく。それが最高のスキンケア
塗るだけがケアではありません。
今月の1日、お風呂上がりに3分。
まずは足の裏から、鏡に映してみませんか。
<参照>
徳洲会グループ「病気のはなし149 鑑別のABCDEルール ほくろと皮膚がん」(ABCDEルールの解説) https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/article.php?newspaper_number=1439&article=2&number=8
国立がん研究センター がん情報サービス「皮膚がん(皮膚悪性腫瘍)」(症状・受診の目安)
https://ganjoho.jp/public/cancer/skin/index.html
「美容・スキンケアに関する読者アンケート」(読者の声)




