趣味・推し活

押し入れを開けるだけで始まる趣味の再開

 若い頃、夢中だったこと。ギター、油絵、書道、テニス、写真。
——押し入れの奥に、その道具がまだ眠っていませんか。

やめた理由は、たいてい時間でした。
仕事、子育て、介護。才能がなかったからではなく、余白がなかったからです。

そして今、その余白が戻ってきています。
再開に必要なのは、才能でも若さでもなく、たった3つのルールだけです。

ルール1:道具は「出す」だけでいい

 再開の第一歩は、練習ではありません。
道具を、押し入れから出すことです。

ギターならスタンドに立てて、部屋の見える場所へ。
絵の具なら、テーブルの端に箱ごと。
手の届く場所にあるものは、いつか手に取られます。
押し入れにあるものは、永遠に押し入れの中です。

今日やるのは、これだけで構いません。
出す。それ以上は、明日の自分に任せましょう。

ルール2:昔の自分と比べない

 これが、いちばんの落とし穴です。

「あの頃はもっと弾けた」——この一言で、多くの人が二度目のやめ方をします。
指は動かない、音は外れる、線は震える。
当たり前です。何十年も、していなかったのですから。

だから、比べる相手を変えてしまいましょう。
比べるのは、昨日の自分だけ。
昨日より1音、昨日より1本の線。
それだけで、上達は続きます。

「変化は挑戦や勉強だと考えている」

(グランマミッキーさん・64歳女性・千葉県)

というお声のように、再開もまた、新しい挑戦です。
続きではなく、始まりだと思えば、気が楽になります。

ルール3:30分で切り上げる

 再開したての人ほど、はりきりすぎて、体を痛めます。
指、肩、腰、目。昔と同じ強度では、体がついてきません。

1回30分。タイマーをかけて、鳴ったらやめる。
「もう少しやりたい」というところで終えるのが、続けるコツです。
満腹まで食べない。それが、次の食事を楽しみにする方法と同じです。

そして、週2回、曜日を決める
「火曜と土曜の夜、30分」。決めた時間は、カレンダーに書き込んでしまいましょう。

発表の場を半年後に置く

 もうひとつ、効く仕掛けを。
半年後に、人に見せる(聴かせる)機会を作るのです。

大げさな舞台でなくていい。
家族の前で1曲弾く。
友人に絵を1枚見せる。
地域の作品展に1点出す。
——締切があると、練習は目的を持ちます。

地域の公民館やカルチャーセンターには、発表会つきの講座が少なくありません。
ひとりで続ける自信がないなら、その仕組みを借りるのが早道です。

今日は押し入れを開けるだけ

 上手に弾こうとしなくていい。
うまく描こうとしなくていい。
今日は、押し入れを開けて、道具を1つ出す。
それだけで、あなたの趣味は再開しています。

<参照>
内閣府「生涯学習に関する世論調査(令和4年7月調査)」(学習・活動を始めるきっかけ、継続の状況)
https://survey.gov-online.go.jp/r04/r04-gakushu/
文部科学省「生涯学習・社会教育の推進」(地域の学習・発表の場について)
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/index.htm
「趣味・推し活に関する読者アンケート」(読者の声)

キラビュー編集部

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