
テレビで、SNSで、友人の口から。
健康にいいという情報は、毎日のように流れてきます。
そのすべてが嘘だとは言いません。
ただ、すべてが正しいわけでもない。
困るのは、正しいものと、そうでないものが、同じ顔をして並んでいることです。
そこで役に立つのが、専門家のあいだで使われている合言葉。
「い・な・か・も・ち」。
この5つを問うだけで、情報の見え方が変わります。
い:いつの情報か
まず、日付を見ます。
健康や医療の常識は、更新されます。
5年前に「正しい」とされていたことが、今は違うということも珍しくありません。
記事の下や上に、日付が書かれていないものは、それだけで一歩引く。
これが、いちばん簡単なふるいです。
な:何のために書かれたか
次に、目的を疑います。
その情報の最後に、商品の広告や、購入ボタンがついていないか。
「〇〇が不足しています」の直後に「だからこのサプリを」と続くなら、それは情報ではなく、売り文句です。
売るために書かれたものは、都合のいい話だけを載せます。
罪はありませんが、鵜呑みにはできません。
か:書いた人は誰か
書き手の名前と肩書きを探します。
医師か、管理栄養士か、それとも匿名か。
名前が出ていない情報は、責任の所在がありません。
ただし、肩書きがあれば安心、でもありません。
その分野の専門家かどうかまで見る。
歯科医が語る腸活は、専門外の話かもしれないのです。
も:元ネタは何か
いちばん大事なのが、これです。根拠のある話か。
「〇〇大学の研究で」と書いてあれば一歩前進。
ただし、「私が試したら効いた」という体験談は、根拠にはなりません。
体験談は強い。心を動かします。だからこそ、危ないのです。
たまたま良くなった1人の話は、あなたにも効く保証にはなりません。
ち:違う情報と比べたか
最後に、別の情報源を1つ当たる。
おすすめは、厚生労働省の「eJIM」や「eヘルスネット」、国立がん研究センターの「がん情報サービス」。
公的機関のサイトで、同じ言葉を検索してみてください。
同じことが書いてあれば、信じていい。
書いていなければ、保留にする。
この2分の手間が、あなたの体とお金を守ります。
迷ったらかかりつけ医に紙を持っていく

具体的な提案をひとつ。
気になる健康情報を見つけたら、その画面を印刷するか、スクリーンショットを撮って、次の診察のときに持っていく。
「これ、私に合いますか?」
——この一言で足ります。
あなたの持病や飲んでいる薬まで知っているのは、その先生だけです。ネットの誰でもなく。
「人生100年時代、健康に気をつけて色々楽しみたい」
というお声のように、長く楽しむためにこそ、情報の選び方が効いてきます。
疑うためではなく選ぶために
情報を怖がる必要はありません。
5つの問いを持っていれば、どんな話も落ち着いて聞けます。
今日聞いたあの健康法、まずは「元ネタは?」から。
<参照>
「からだ・ヘルスケアに関する読者アンケート」(読者の声)
厚生労働省「eJIM(統合医療情報発信サイト)情報の見極め方」(情報を吟味する10か条) https://www.ejim.mhlw.go.jp/public/hint/index.html
健康長寿ネット「インターネットにおける医療・健康情報の見極め方」(「い・な・か・も・ち」の考え方)https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koreisha-ICT/iryo-kenkojoho-mikiwame.html
国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/

