60代女性に立ちはだかるファッションの壁! ――同世代モデルが考える解決法は?

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ファッションはおしゃれを楽しむためにも、自分を演出するためにも女性には欠かせないテーマです。今回は60代70代でモデルとして活躍している女性に、60代以降のファッション悩みについてアンケートを実施。ファッションに敏感な彼女たちの現在の悩みをリサーチするとともに、どのようなファッションが理想かを聞いてみました。

60代70代のモデル女性に「60代になってからファッション傾向や洋服選びは変わりましたか?」と聞いたところ、50%の人が変わったと回答しました。一方で変化していないという人も50%。変わった人、変わらなかった人が半々という結果になりました。

そして、60代になってファッション傾向が変わった人にどのような変化が起きたかを自由回答で聞きました。その結果、3つの傾向があることがわかりました。

Q.2 「はい」と回答した人はどのような変化がおきましたか?

✔よりシックでかっこいいスタイルに変化 4人

「上質素材でシンプルなスタイルを好むようになりました」(SALAKO、63歳女性、神奈川県)

「若い時はスカート着用でしたが、今はパンツオンリーです」(まり絵、63歳女性、東京都)

「かわいい系のファッションからシンプルカッコいい系に変えています」(ローズ、65歳女性、東京都)

✔体型が変わり、選び方が変わった 3人

「体型が変わり、似合う色やデザインが少なくなってきたことです」(Y.Y、64歳、東京都)

「必ず試着してから買うようになった」(chi、65歳女性、北海道)

✔きれいな色、明るい色を選ぶようにシフト 2人

「以前は黒を選ぶ事がほとんどでしたが、最近は少し色のある物を選んだりしています」(E.H、69歳女性、東京都)

✔その他 2人

「品を大切にする」(ノリコ、75歳女性、埼玉県)

ファッション傾向が変わった人は、3つのタイプに分けることができました。1つめはパンツスタイルに代表されるようなシックでかっこいいスタイル。2つめは体型が変わったことにより選び方が変わったという意見。3つめは黒や落ち着いた色みではなく、きれいな色や明るい色を選ぶスタイル。1つめのタイプはかっこいい系にシフトすることでファッショナブルさを重要視する傾向にあり、3つめは年齢によって暗い色や落ち着いた色を排除し、華やかに見せる傾向にありました。自分の似合う傾向はどちらかを考えて変えている様子。シフトチェンジの参考になる意見でした。

次に「60代以降の洋服悩み」を自由回答で聞きました。その結果、次の4つの傾向の悩があることが浮き彫りになりました。

Q.3 60代になってから新たに出てきた洋服選びの悩みは何ですか?

✔体型などの変化

「体重が増加してしまい、お腹がめだつようになった」(Rei、62歳女性、東京都)

「首、デコルテ、腕が老化してきているのでノースリーブや胸元の開いた服はNGだと知りつつ、この時期暑いとつい購入してしまっては後悔…です」(nokkiee、69歳女性、東京都)

✔これまで似合っていたものが似合わなくなった

「自分の顔と年齢に似合う洋服がわからず、悩んでいます」(まり絵、63歳、東京都)

「顔・身体のたるみ、皮膚の張り感・くすみなどから手持ちの洋服が合わなくなった」(エリリング、65歳女性、神奈川県)

✔年相応がわからないが、年寄りには見られたくない

「年相応にはしたくなくて、でも若すぎるのも似合わなくなってきているのが悩みです」(M.O、66歳女性、岡山県)

「年寄りに見えない、それでいて流行を取り入れるのを選ぶこと」(ノリコ、75歳女性、埼玉県)

✔自分たちに合うブランド・店舗がない

「シックなオシャレな店舗がない」(桜もち、70歳女性、東京都)

60代以降のファッション悩みは、4つに分類することができました。年齢による体型変化そのものによって着られる服が限られてくるだけではありません。肌の変化やデコルテなどが痩せてくることで、これまで似合っていたものがしっくりこなくなることもあります。さらには“年相応”は意識するものの年寄りくさくなるのは嫌という複雑な心理も。さまざまな面で、ファッション迷子におちいっていることがわかりました。

ファッション迷子になってもそこで諦めないのがモデルのプライド。彼女たちの「こうなりたい」という理想のなかにその解決法がありました。

Q.4 こうなりたいという憧れのファッションスタイルや、こうしたいと思うファッションスタイルはありますか?

「パリやミラノマダムのような品のあるお洒落な装い」(Maririn、62歳女性、茨城県)

「パンツをあまり履かないのですが補正下着とかでかっこよく着こなしたい」(ローズ、65女性、東京都)

「カジュアルでありながら品性やおしゃれ感があり、着る人の個性が感じられるスタイル(Chiko、65歳女性、兵庫県)

「きれいめな感じのスタイルが好きですが、頑張ってる感がなく、でもセンスがあるって思われるようなファションスタイルにしたいです」(M.O、66歳女性、岡山県)

「スポーティーだが品を保っている」(M.Y、64歳女性、東京都)

理想のファッションスタイルのなかには、ヨーロッパのおしゃれな女性の装いを真似するのが近道という意見がありました。具体的な理想のなかには、きれいさや上品さのなかにカジュアルさやスポティーさといった抜け感は作るという意見もありました。またパンツのときには補正下着を身につけるという具体的なものも。

彼女たちはファッション迷子になっても、理想のイメージを思い浮かべ、日々トライしてみることで自分らしいスタイルを見つけていました。ぜひ、皆さんもポジティブにファッションを楽しみましょう!


今回のアンケート調査概要:
調査期間:2025年6月
調査方法:Webアンケート
調査対象:全国の60〜70代の女性モデル22名

(ライター)

岡本のぞみ
食やワイン、美容、旅の分野を中心に執筆。女性の視点を活かして、キラキラと輝くヒントを文章で届けている。ワインエキスパートを取得し、40代からレストランのソムリエとしても勤務。前向きな挑戦を続けている。