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「自己肯定感」を大げさにせず育てる

「自己肯定感を高めよう」。
本や雑誌で、よく見かける言葉です。
けれど、その言葉を見るたびに、なんだか少し疲れてしまう。
そんな方も、いるのではないでしょうか。

自分をもっと好きにならなきゃ、前向きにならなきゃ——。
そう力むほど、できない自分が気になってしまうこともあります。
今日は、肩肘を張らずに、自己肯定感をそっと育てるお話です。

「ポジティブにならなきゃ」は、ちょっと横に置いて

自己肯定感というと、「私はすごい」「何でもできる」と思えることだと考えがちです。
けれど、無理に気持ちを盛り上げることが、自己肯定感ではありません。

落ち込む日があってもいい。
うまくいかないことがあってもいい。

大切なのは、そんな自分を打ち消そうとするのではなく、「今はそういう気分なんだな」と、そっと認められること。

ポジティブでいなければ、という思い込みを横に置くだけで、心はずいぶん軽くなります。

土台になるのは「ありのままを認める」こと

心理学では、自分をありのままに理解して受け入れることを「自己受容」と呼びます。
そして、この自己受容こそが、自己肯定感を育てる土台だと考えられています。

臨床心理学者のカール・ロジャースは、人には「理想の自分」と「現実の自分」があり、その二つの隔たりが小さいほど、心穏やかに過ごしやすいと説きました。
つまり理想に自分を近づけて頑張り続けるよりも、「これが今の私」と現実の自分を受け入れるほうが心は安定するのです。

すごい自分になる必要はありません。
今のあなたを、まずはそのまま認めてあげる。それが、すべての出発点になります。

大げさにしない、小さな自己肯定の習慣

自己肯定感は、大きな成功で一気に手に入るものではなく、小さな積み重ねで静かに育っていきます。
厚生労働省のセルフケアの考え方でも、自分の心の状態に気づき、いたわることが、こころの健康の基本とされています。

たとえば、一日の終わりに「今日できたこと」を一つだけ思い出す。
誰かと比べそうになったら、「人は人、私は私」とつぶやく。
疲れた自分に「よくやっているね」と声をかける。

どれも、ほんの小さな習慣です。
けれど、こうした”自分を責めない時間”を重ねるほど、心の土台はやわらかく、丈夫になっていきます。

今のあなたのままで、もう十分

自己肯定感を育てることは、別人になることではありません。
今のあなたを否定して塗り替えるのではなく、これまで歩んできた自分を、まるごと認めてあげることです。

特別なことができなくても、誰かに認められなくても、あなたの価値は少しも揺らぎません。
今のあなたのままで、もう十分なのです。

どうか、大げさに頑張ろうとしないでください。
「これでいい」と思える小さな瞬間を、毎日にひとつずつ。
その積み重ねが、いつのまにかあなたの心を、あたたかく支えてくれます。

<参考>
厚生労働省「こころの耳」働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト(セルフケア:自分の心の状態に気づき、いたわる)/「15分でわかるセルフケア」eラーニング教材
https://kokoro.mhlw.go.jp/selfcare/
カール・ロジャースの「理想自己と現実自己の一致」「自己実現傾向」(自己受容と自己肯定感の関係の心理学的背景)

キラビュー編集部

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