
鏡の前で、ふと手が止まる夜はありませんか。
目尻のしわ、変わってきた髪、思うように動かない膝。
若い頃の自分と比べて、いつの間にか「できなくなったこと」ばかりを数えている。
そんな夜が、誰にでもあります。
でも、ここでひとつだけ、立ち止まって考えてみたいのです。
年を重ねた今のあなたを採点するものさしは、本当に「若さ」でいいのでしょうか。
「若く見える」は、ほめ言葉なのだろうか
「お若いですね」と言われて、うれしい気持ちになる。
それはとても自然なことです。
けれど、その言葉の裏側には、「若いことが良くて、年を重ねることは良くない」という、いつの間にか刷り込まれた価値観が隠れていることもあります。
世界保健機関(WHO)は、「健康な加齢」を、病気がないことでも、若々しくいることでもないと定義しています。
WHOが大切にするのは、その人が「価値がある」と思うことを、自分の力で実際にやり続けられること。
つまり、何歳になっても自分の意志で選び、人とつながり、自分の尊厳を感じていられること。
それこそが、本当の意味で健やかに年を重ねている姿だというのです。
ここには、大きな救いがあります。
たとえ体力が落ちても、病気があっても、人の手を借りることがあっても、自分らしさを手放していないなら、あなたはちゃんと「幸せに年を重ねている」のだ、ということ。
若く見えるかどうかは、その本質とは関係がないのです。
あなたが重ねてきたものは、消えていない
60代、70代、80代。
ここまで生きてきたあなたの中には、若い頃には持っていなかったものが、確かに積み上がっています。
人の痛みがわかる感受性。
慌てずに物事を見られる落ち着き。失敗も後悔も含めて「これが私の人生だ」と言える、ブレない軸。
誰かを支えてきた時間、誰かに支えられた記憶。
それらは、年を重ねた人だけが手にできる財産です。
若さは、誰もがいつか手放していくもの。
けれど、あなたが歩んできた道のりは、誰にも奪えません。
「できなくなったこと」を数える指は、そのまま「ここまで重ねてきたこと」を数える指でもあるのです。
今日から、自分を喜ばせるために

これまでの人生で、あなたはずいぶん長いあいだ、自分以外の誰かのために時間を使ってきたのではないでしょうか。
家族のため、仕事のため、まわりの期待に応えるため。
その時間が、今、ようやく自分のもとに戻ってきています。
だからこの時期は、誰かに認められるためでも、誰かと競うためでもなく、自分を喜ばせるために使っていい。
着たい服を着て、行きたい場所へ行き、食べたいものを食べる。
やってみたかったことに、今日、小さく一歩を踏み出してみる。
「年甲斐もなく」なんて、気にしなくていいのです。
あなたの毎日の主役は、ほかの誰でもなく、あなた自身なのですから。
小さな問いかけを、今夜の自分に
もし今夜、また鏡の前で手が止まったら、こんなふうに自分に問いかけてみてください。
今日、自分が「いいな」と思えたことは何だろう。
今日、誰かと交わした言葉の中で、心が温かくなったのはどの瞬間だろう。
明日、ほんの少しでも、自分を喜ばせるためにできることは何だろう。
ひとつでも答えが浮かんだなら、それで十分です。
その積み重ねが、「わたし、今がいちばんキラキラしてる」と、いつか自然に言える日へとつながっていきます。
年を重ねた今の自分に、どうか、はなまるを。
あなたの人生のいちばん輝く季節は、過ぎ去った過去ではなく、まさに今、ここにあります。
キラビューは、人生後半だからこその「あなたの輝き」を応援しています。




