すまい

今日はどうしても動けない?「玄関まで3歩だけの処方せん」

 外に出たほうがいいのはわかっている。
でも、今日は、どうしても腰が上がらない。

そんな日は、誰にでもあります。
そして、そういう日に自分を責めるのが、いちばんよくありません。

覚えておいてほしいのは、やる気は、動く前ではなく、動いたあとに出てくるということ。

心理療法の分野には「行動活性化」という考え方があります。
気持ちが上向くのを待つのではなく、小さな行動を先に置いて、あとから気持ちがついてくるのを待つ。
順番が、逆なのです。

ハードルは笑うくらい低く

 「散歩に行こう」——このハードルが高すぎます。
動けない日の目標は、自分でも笑ってしまうくらい低く設定します。

たとえば、こんな順番。

  1. 靴下をはく
  2. 玄関まで歩く
  3. 靴をはいて、ドアを開ける
  4. 外の空気を吸う
  5. そこで引き返してもいい

大事なのは、5番があること
「引き返してもいい」という許可があると、1番のハードルが下がります。

そして不思議なもので、ドアを開けて外の空気を吸うと、たいていの人は、そのまま少し歩き始めます。

「5分だけ」と自分に約束する

 もう一つの方法が、時間を区切るやり方。

「5分だけ歩く」と決めて、タイマーをかけます。
5分経ったら、本当に帰ってきていい。

リズムのある運動は、5分ほど続けると心の状態にいい影響が出はじめるとも言われます。
5分は、思っているより短くて、思っているより効きます。

同じ要領で、こんな「5分メニュー」を用意しておくと便利です。

  • 窓を全部開けて、5分だけ空気を入れかえる
  • ベランダに椅子を出して、5分だけ座る
  • 好きな曲を1曲、立って聴く
  • お湯を沸かして、お茶を一杯だけ淹れる

外に出ることだけが正解ではありません。
「体が動いた」という事実が、次の一歩を連れてきます。

動ける日に準備をしておく

 これがいちばんの工夫かもしれません。
元気な日のうちに、動けない日のための仕掛けを置いておくのです。

  • 玄関に、すぐはける靴を1足だけ出しておく
  • 上着は、迷わない1枚をハンガーにかけておく
  • 財布に、近所のカフェの小銭を入れておく
  • カレンダーに、人と会う約束を週1つだけ入れておく

「外に出る勇気」は、その日の気合いではなく、準備の量で決まります。

「気持ちはいつでも前向きに、人との繋がりだったり音楽で気持ちフラットに過ごす」

(サナさん・61歳女性・大分県)

というお声がありました。

フラットでいるための仕掛けを、自分の家に置いておく。
それが、動けない日を助けてくれます。

今日の一歩は玄関のドアまで

 具体的に、今日やることをひとつだけ決めましょう。
玄関に、靴を1足そろえて置く。それだけです。

明日、気が向いたら、その靴をはいてドアを開ける。
外の空気を吸って、そのまま戻ってきてもいい。
それでも、あなたはちゃんと一歩を踏み出しています。

なお、気分の落ち込みが2週間以上続く、眠れない、食欲が戻らないといったときは、遠慮なくかかりつけ医や専門の窓口に相談を
話すこともまた、立派な一歩です。

一歩は思っているより小さくていい

 大股でなくていいのです。
玄関まで、3歩。そこから先は、体が勝手に決めてくれます。

<参照>
「生き方に関する読者アンケート」(読者の声)
厚生労働省「こころもメンテしよう」(体を動かすこととこころの関係、セルフケア) https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/self_01.html
厚生労働省「こころの耳」(メンタルヘルスの情報と相談窓口)
https://kokoro.mhlw.go.jp/
健康長寿ネット「ストレス緩和の運動とは」(運動と気分の関係)
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/shippei-undou/undou-sutoresu.html

キラビュー編集部

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