
家は、いちばん安心できる場所。
——のはずですが、事故がいちばん多く起きるのも、じつは家の中です。
とくに冬。
浴槽内での不慮の溺水による死亡者数は、交通事故による死亡者数を上回る水準で推移しており、11月から4月に集中しています。
原因の多くは、急な温度差による血圧の変化です。
こわがる必要はありません。
対策は、はっきりしています。
今日は、家の5か所を点検しましょう。
1:お風呂は「41℃・10分・声かけ」
消費者庁が示す目安は明快です。
湯温は41℃以下、湯につかるのは10分まで。
そして、次の3つを習慣に。
- 入浴前に、脱衣所と浴室を暖める(暖房や、シャワーで浴室に湯をまく)
- 入浴前後に、コップ1杯の水を飲む
- 入浴前に、同居の人に一声かける(ひとり暮らしなら、長湯をしない)
食後すぐ、お酒のあとの入浴は避ける。
これも、大切な約束です。
2:廊下とトイレの温度差をなくす
居間だけ暖かい家は、危ない家です。
暖かい部屋から寒い廊下へ出た瞬間、血圧は跳ね上がります。
対策は簡単。トイレと脱衣所に、小さな暖房器具を1台ずつ。
数千円のもので構いません。
「家の中で、温度差10℃以上の場所をつくらない」——これが目標です。
3:床の上にモノを置かない
転倒の原因は、たいてい足元です。
新聞の束、紙袋、電気コード、めくれたマット。
通り道に置かれたものは、すべて危険物だと考えてください。
とくに、夜、トイレに立つときの動線。
ここに何もない状態を作りましょう。
4:夜の灯りを足元に

夜中の移動は、いちばん転びやすい時間帯です。
寝室からトイレまでの間に、足元灯(フットライト)を2つ。
コンセントに挿すだけの、人感センサー付きのものが便利です。
1つ千円台。この投資の費用対効果は、家中でいちばん高いかもしれません。
5:手すりは「立ち上がる場所」に
手すりは、廊下だけではありません。
必要なのは、体を起こす場所です。
玄関のたたき、浴槽のわき、トイレの横。
この3か所は、優先的に設置しましょう。
介護保険の住宅改修を使えば、条件により費用の一部が補助されます。
まずは、お住まいの市区町村の窓口で相談を。
「自分を健康に幸せにできるのは自分だけ、と思って暮らしを整えている」
というお声のとおり、家を整えることは、自分を守ることです。
今週は足元灯を2つ買う
具体的な提案を。今週、寝室からトイレまでの間に、足元灯を2つ設置してください。
そして、脱衣所に、小さな暖房を1台。
合わせて数千円。
この2つで、家の危険はぐっと減ります。
安心な家は出かける家
安全対策は、家に閉じこもるためではありません。
元気に出かけ続けるための、土台づくりです。
まずは足元から。
<参照>
「生き方に関する読者アンケート」(読者の声)
消費者庁「冬季に多発する高齢者の入浴中の事故に御注意ください」(浴槽内の事故の状況、湯温と時間の目安) https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_042
政府広報オンライン「冬の入浴中の事故に要注意」(ヒートショック対策)
https://www.gov-online.go.jp/article/202111/entry-9952.html
東京消防庁「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」(住宅内の転倒事故) https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/nichijo/kkhansoudeta.html




