すまい

捨てなくても家は片づく。「置き場所から始める整理術」

 「片づけ=捨てること」だと思うと、途端に気が重くなります。
思い出があるもの、まだ使えるもの。
捨てるかどうかの判断は、体力よりも気力を使うのです。

そこで発想を変えてみませんか。

減らすのではなく、「置き場所」を決める。
モノに住所をあげる、と考えるとわかりやすいかもしれません。

捨てなくていいので、心が痛まない。
それでいて、暮らしはぐんと軽くなります。

まずは床の上を空ける

 置き場所づくりの前に、たった一つだけ、先にやってほしいことがあります。
床の上のモノを、どかす。

東京消防庁のまとめによると、大人世代の救急搬送のうち、およそ8割が「ころぶ」事故によるもの。
しかもその多くが、住み慣れた自宅で起きています。
原因としてよく挙げられるのが、床に置いた荷物、めくれた敷物、電気コード

つまり、床は「置き場所」ではなく「通り道」です。

新聞の束、紙袋、掃除機。今、床に直接置いてあるものを、まず3つだけ、どこかへ移してください。
片づけの第一歩は、ここです。

「よく使うもの」から住所を決める

 さて、本題の置き場所づくり。
コツは、あちこち手をつけないこと
まずは、1日に何度も探すものだけを選びます。

  • :玄関に小さな器をひとつ。帰宅したら、必ずそこへ
  • 眼鏡:使う場所ごとに1本ずつ。リビング、寝室、キッチン
  • リモコン・スマホ:ソファの脇に、小さなカゴを1つ
  • 印鑑・通帳・保険証:ひとつの箱にまとめ、「大事箱」と書く
  • :食卓の上の、目に入る場所へ

探し物に費やす時間は、年に数十時間にのぼるとも言われます。
その多くは、この5つを探している時間です。

住所は「使う場所のいちばん近く」に

 置き場所を決めるとき、やってしまいがちなのが「きれいに見える場所」に置くこと。
でも、それでは続きません。

正解は、使う場所から、手を伸ばして届く範囲
爪切りは、爪を切るソファのそば。
ハサミは、荷ほどきをする玄関の靴箱の上。
掃除用のウェットシートは、洗面台の下ではなく、洗面台の上。

「あるべき場所」ではなく、「使う場所」に置く。
これだけで、戻す動作が苦にならなくなります。
片づけが続かないのは、意志が弱いからではなく、戻すのが遠いからです。

「実家の片付けをきっかけに、モノは最小限でいいと思い、自分も断捨離を始めました」(

(サナさん・61歳女性・大分県)

という声もあります。
減らすところまで進めれば、それは素晴らしいこと。
ただ、その手前の「置き場所を決める」だけでも、暮らしは確実に変わります。

迷ったら「1軍」を10個だけ選ぶ

 それでも決めきれないときの、最後の手。

紙に、毎日必ず使うものを10個だけ書き出してください。
眼鏡、鍵、財布、スマホ、薬、爪切り、ペン、はさみ、エコバッグ、時計。
——この10個にだけ、はっきりした住所を与える。
残りは、しばらく今のままで構いません。

10個の定位置が決まった家は、もう「探さない家」です。

家は捨てなくても軽くなる

 今日、床の上のものを3つどかす。
明日、鍵の器を玄関に置く。

それだけで、来週のあなたは、少し違う家に住んでいます。
捨てるのは、その先で考えればいいのです。

<参照>
「生き方に関する読者アンケート」(読者の声)
東京消防庁「救急搬送データからみる高齢者の事故」(転倒事故の割合、住宅内の事故原因) https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/nichijo/kkhansoudeta.html
東京消防庁「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/content/000063566.pdf

キラビュー編集部

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